特養の申し込みに必要だった6つの書類|市役所で受け取った資料から知った母の姿

申し込みの支度を整えた机の上と、ボールペン 介護施設のこと

特別養護老人ホームへ申し込むとき、どのような書類が必要になるのか。

どこへ行けば、そろえられるのか。

初めてのことで、私にも分からないことがたくさんありました。

母は、3つの特養へ申し込みました。

施設ごとに申込書の形式は違いましたが、用意する資料はほぼ同じでした。

市役所で受け取ったもの。

母が暮らしていたサービス付き高齢者向け住宅で用意していただいたもの。

自分でコピーしたもの。

一つずつ確認しながら、3施設分をそろえました。

そのなかには、私がそれまで見たことのなかった「認定調査票」と「主治医意見書」もありました。

そこに書かれていたのは、介護度を決めるための情報だけではありません。

私の前では元気そうにしていた母を、調査員さんや主治医の先生がどのように見ていたのか。

書類を読んで初めて分かったことがありました。

この記事では、母が3つの特養へ申し込んだときに必要だった6つの書類と、その集め方、申し込みとあわせて進めた手続きについてお話しします。

※特養を探してから入居の連絡をいただくまでの流れは、こちらの記事に書いています。

「特養は100人待ちでも入れる?要介護3の母が入居するまでにしたこと」

母の状態が悪くなり、区分変更を申請しました

母は当時、サービス付き高齢者向け住宅で暮らしていました。

ある時期から母の状態が急に悪くなったため、認定の更新時期を待たず、要介護度の見直しをお願いする区分変更を申請しました。

あらためて認定調査が行われ、主治医意見書などをもとに審査された結果、母は要介護3になりました。

私が特養について調べ始めたのは、このときです。

それまでは、特養の候補を探したり、見学したりしていたわけではありません。

要介護3になったことをきっかけに施設を調べ、そのなかから3か所へ申し込みました。

区分変更の申請方法や認定の流れは、本人の状態や自治体によって異なります。担当のケアマネジャーさんや市区町村の介護保険窓口へご確認ください。

母は、3つの特養へ申し込みました

特養について調べ始めた私は、通うことのできる範囲にある施設をリストにしました。

資料を取り寄せ、問い合わせをし、実際に見学したうえで、母に合いそうな3か所を選びました。

ひとつの施設だけに絞らなかったのは、いつ空きが出るのか分からなかったからです。

施設によっては、100人ほどの方が待っていると聞きました。

それでも、申し込まなければ入居につながることはありません。

母の状態や今後の暮らしを考え、3施設へ申し込むことにしました。

※施設の選び方や、見学で確認したことは、こちらの記事に書いています。

「親の介護施設はどう選ぶ?介護施設で働いていた私が見学で確認したこと」

申し込みに必要な書類は、施設ごとに少し違いました

3つ並べて置かれたクリアファイル

特養の申込書は、全国で統一された一枚の書類ではありませんでした。

施設ごとに指定された申込書があり、質問の内容や記入欄も少しずつ違います。

私が3施設へ申し込んだときに用意したのは、次の6つです。

  1. 特養の入所申込書
  2. 介護保険被保険者証のコピー
  3. 介護保険負担割合証のコピー
  4. 認定調査票のコピー
  5. 主治医意見書のコピー
  6. 直近3か月分のケアプランなど、現在の介護状況が分かる資料
    施設によって、必要な書類やコピーする範囲は異なります。

同じ「特養への申し込み」でも、提出方法や追加で求められる資料が違うこともあります。

まずは申し込みを希望する施設へ連絡し、必要書類の一覧を受け取るのが確実です。

1.特養の入所申込書

最初に記入したのは、それぞれの施設が用意している入所申込書です。

申込書には、母本人の基本情報だけでなく、次のようなことを記入しました。

  • 要介護度
  • 現在暮らしている場所
  • 病気や身体の状態
  • 日常生活で必要な介助
  • 認知症の症状
  • 家族の状況
  • 主な介護者
  • 特養への入居を希望する理由
  • 申し込みをしているほかの施設
    特に迷ったのは、入居を希望する理由です。

限られた記入欄のなかで、母の状態だけでなく、家族だけで今後の生活を支え続けることが難しい状況も伝えなければなりません。

私は、母を引き取って同居したこと、その後サービス付き高齢者向け住宅へ移ったこと、私自身が介護離職を経験したことなどを書きました。

うまく書こうとするより、本人と家族の現在の状況を、事実に沿って具体的に書くことが大切なのだと思います。

※母を引き取ってから特養へ入居するまでの経緯は、こちらの記事に書いています。

「「若干毒親」の母を引き取って介護した私の記録|同居・介護離職から特養入居まで」

2.介護保険被保険者証のコピー

介護保険被保険者証には、母の要介護度や認定の有効期間などが記載されています。

母の原本は、暮らしていたサービス付き高齢者向け住宅で保管していただいていました。

私は必要なときに困らないよう、以前から大切な証書類のコピーを手元に残していました。

特養へ3か所申し込むため、それぞれに提出できるよう必要な枚数をコピーしました。

原本をどこで保管しているか分からない場合は、まず本人の手元や現在暮らしている施設へ確認するとよいと思います。

3.介護保険負担割合証のコピー

介護保険負担割合証には、介護サービスを利用したときの本人の負担割合が記載されています。

こちらも原本は、母が暮らしていた施設で保管されていました。

私は介護保険被保険者証と同じようにコピーを持っていたため、申し込みの際にはそのコピーを使いました。

介護関係の証書には有効期限があります。

以前にコピーしたものが残っていても、現在有効な証書かどうかを確認する必要があります。

私は母の証書が新しくなるたびにコピーを取り、古いものと分からなくならないよう整理していました。

4.認定調査票のコピー

役所の窓口のカウンターと待合の椅子

認定調査票は、要介護認定のために調査員さんが本人へ聞き取りを行い、心身の状態や日常生活の様子を記録したものです。

特養から提出を求められるまで、私はその内容を詳しく見たことがありませんでした。

母の認定調査票のコピーは、市役所の介護保険を担当する窓口で受け取りました。

窓口では、本人との関係や必要な手続きについて確認がありました。

自治体によって申請方法や必要な本人確認書類などは異なると思いますので、出向く前に電話で確認しておくと安心です。

認定調査票には、歩行や着替え、食事、排せつなど、生活のさまざまな場面について記録されていました。

私が知っている母の様子と一致するところもあれば、初めて知ることもありました。

家族の前では大丈夫そうに見えても、本人なりに困っていることがあります。

反対に、家族が心配していても、本人は自分でできていると考えていることもあります。

一緒に暮らした経験があっても、母のすべてを分かっていたわけではありませんでした。

書類を読むことで、別の角度から母の暮らしを見ることができました。

認定調査には家族が立ち会えるか確認しておく

認定調査では、本人から日常生活の様子を聞き取り、実際の動作などを確認します。

ただ、本人の話だけでは、日頃の状態が十分に伝わらないこともあります。

普段どのような場面で困っているのか。

家族や施設の方が、どのような手助けをしているのか。

調子のよい日と悪い日で、どのくらい違いがあるのか。

そうしたことは、家族や日頃の様子を知る方が補足することで伝わりやすくなります。

家族が立ち会えるかどうかや、立ち会えない場合にどのような方法で普段の様子を伝えればよいかを、事前に確認しておくとよいと思います。

施設で暮らしている場合は、ケアマネジャーさんや施設の方にも相談できます。

認定調査への立ち会いや情報の伝え方は、自治体や本人の状況によって異なります。詳しくは担当窓口へご確認ください。

5.主治医意見書のコピー

主治医意見書も、要介護認定の際に使われる書類です。

母の病気や治療の状況、心身の状態、介護するうえで注意が必要なことなどが、主治医の先生によって記載されていました。

この書類も、市役所の窓口で、認定調査票と一緒にコピーを受け取りました。

母がデイサービスを利用していた頃は、通院していた病院の先生に主治医意見書を書いていただいていました。

その後、サービス付き高齢者向け住宅へ移ってからは、施設へ往診に来てくださる先生が母を診てくださっていました。

今回受け取った主治医意見書には、サ高住での母の状態を継続して診てくださっていた、往診の先生の見立てが記されていました。

私は往診の場に立ち会っていなかったため、先生が母の状態をどのように見てくださっていたのかを、主治医意見書を読んで初めて知りました。

家族の目から見た母の姿だけでなく、医師の立場から見た心身の状態を知ることができた、大切な資料でした。

6.直近3か月分のケアプランなど

もうひとつ必要だったのが、母が暮らしていたサービス付き高齢者向け住宅で作成された資料です。

施設では、母が受けている介護サービスの内容や生活の様子について、ケアプランなどの資料が定期的に作成されていました。

今回は母の状態が急に悪くなった時期があったため、その変化が分かる直近3か月分の資料を用意していただきました。

資料には、母がどのような支援を受けていたのかだけでなく、その時期の状態や、施設でどのように対応していただいていたのかも記されていました。

家族が申込書へ書いた内容だけでは伝えきれない、日頃の暮らしや状態の変化を、特養の方に知っていただくための資料になったのだと思います。

施設からは、必要な書類をそれぞれ1部ずついただきました。

私はその1部をもとに、3施設へ提出する分を自分でコピーしました。

施設やケアマネジャーさんに3部ずつ用意していただいたわけではありません。

原本となる1部を受け取り、必要な枚数は自分でそろえました。

書類はセリアのお薬手帳ケースにまとめました

薄紫の花柄の手帳ケース

母のお薬手帳の原本は、サービス付き高齢者向け住宅で保管されていました。

通院するときには、その原本を持って行きます。

私は薬の内容を自分でも確認できるよう、お薬手帳が更新されるたびにコピーを取っていました。

介護保険被保険者証や負担割合証など、大切な書類も同じようにコピーを残していました。

それらをまとめるために使ったのが、セリアで購入したお薬手帳ケースです。

介護保険関係の証書やお薬手帳のコピーを一か所にまとめておくことで、必要な書類を探し回らずにすみました。

特養への申し込みや病院とのやり取りの際にも役立ちました。

原本の保管場所を確認し、家族も最新のコピーを持っておくと、急に情報が必要になったときに助かります。

3施設分は、一度にまとめて作りました

書類がそろったあとは、3施設分をまとめて準備しました。

一つの施設へ提出してから次を作るのではなく、必要な書類を先に複数部コピーし、施設ごとに分けました。

申込書だけは形式が違うため、一枚ずつ内容を確認して記入しました。

同じ内容を何度も書くことになりますが、先に記入した申込書を見ながら進めると、記載内容が大きく変わってしまうことを防げます。

提出する前には、すべての書類をコピーしました。

どの施設へ、いつ、何を提出したのかが分かるようにしておくためです。

電話で問い合わせがあったときも、手元に同じ書類があれば、内容を確認しながら話せます。

私は長いあいだ、医療事務や法律事務の仕事をしてきました。

その経験から、提出書類は必ずコピーを残すようにしています。

介護の手続きでも、この習慣は役に立ちました。

待機順位は、問い合わせと手紙で確認しました

玄関先の郵便受けに入った封筒

特養へ申し込んだあと、いつ入居できるのかは分かりませんでした。

申し込みからしばらくたって、私は施設へ待機状況を問い合わせたことがあります。

忙しい時間帯を避けて、

「申し込み後の状況を伺ってもよろしいでしょうか」

と尋ねると、丁寧に教えていただけました。

その後、一番気になっていた施設から届いた手紙には、「27番」と書かれていました。

100人ほどの方が待っていると聞いていたところから、27番まで進んでいたことに驚きました。

それでも、入居はまだ先だと思っていました。

ところが、ある日突然、施設から入居の電話をいただきました。

待機順位の知らせ方や、問い合わせに対応していただけるかどうかは、施設によって異なると思います。

申し込みの際に、待機状況をどのような方法で知らせてもらえるのかも確認しておくと安心です。

介護保険負担限度額認定も申請しました

特養への申し込みとあわせて、介護保険負担限度額認定についても手続きをしました。

これは、所得や資産など一定の要件を満たす方について、介護保険施設での食費や居住費の負担を軽減する制度です。

申請したとき、母はサ高住に入居していました。

サ高住はこの制度の対象ではなかったため、しばらくは認定証を持っているだけの状態でした。

けれど、その後、母が特養へ入居してから役立ちました。

特養への入居がいつ決まるか分からなくても、利用できる可能性がある制度について確認し、申し込みとあわせて手続きをしておいてよかったと思います。

制度の対象となる施設や利用条件、申請方法は、自治体や時期によって異なり、変更されることもあります。詳しくは、お住まいの自治体の窓口へご確認ください。

※親のお金の管理について、私がしていることはこちらの記事に書いています。

「親のお金の管理|口座をまとめるとき本人確認で困ったことと、私がしている記録の残し方」

書類を読んで、私の知らなかった母を知りました

申し込みを始めたとき、私が考えていたのは、必要な書類を間違いなくそろえることでした。

けれど、認定調査票や主治医意見書を読むうちに、それだけではないと感じるようになりました。

私の前にいる母。

調査員さんが見た母。

往診の先生が見ている母。

施設の職員さんが日々接している母。

同じ母でも、見えている姿は少しずつ違います。

家族だから、何でも分かっているつもりになっていたのかもしれません。

それでも、書類に残された記録から、家族の前だけでは分からなかった母の状態を少し知ることができました。

特養への申し込み書類は、入居のために提出する資料です。

同時に、母がこれまでどのように暮らし、どのような支えを必要としているのかを、家族があらためて確認する資料でもありました。

特養の申し込み前に確認しておくとよいこと

私の経験から、申し込み前に確認しておくとよいと思ったことをまとめます。

  • 希望する施設から必要書類の一覧を受け取る
  • 申込書は施設ごとに形式が違うことを知っておく
  • 介護保険被保険者証などの原本がどこにあるか確認する
  • 証書の有効期限を確認する
  • 認定調査票と主治医意見書の交付方法を市区町村へ尋ねる
  • 認定調査へ家族が立ち会えるか確認する
  • サ高住の施設の方やケアマネジャーさんへ、必要な資料を早めにお願いする
  • 受け取った書類を、申し込む施設の数に合わせて自分でコピーする
  • 提出した書類は、家族の手元にも一式残す
  • 提出日や施設の担当者名を記録しておく
  • 待機状況の連絡方法を確認する
  • 利用できる負担軽減制度がないか市区町村へ相談する
    申し込み後に本人の状態や暮らす場所が変わった場合は、申し込んだ施設へ連絡が必要になることもあります。

提出して終わりにせず、申し込み先と提出日が分かるようにしておくことが大切だと思います。

必要書類や取得方法、提出後の連絡事項は、自治体や施設によって異なります。必ず申し込み先の施設や市区町村の担当窓口へご確認ください。

書類をそろえることが、母のこれからを考える時間になりました

机の上に置かれた封筒と湯呑み

特養への申し込みは、書類を一つ出せば終わるものではありませんでした。

市役所へ行き、現在の施設へお願いし、証書をコピーし、施設ごとの申込書を記入する。

3施設分をそろえるには、手間も時間もかかりました。

けれど、一つずつ書類を確認したことで、母の状態や必要な支援を整理することができました。

家族の前で見せる姿だけが、その人のすべてではありません。

認定調査票や主治医意見書、ケアプランには、それぞれの立場から見た母の姿が記録されていました。

私は、そこから母のことをもう一度知ったように思います。

特養への申し込み書類を前にして、どこから手をつければよいか分からずにいる方へ。

まずは、希望する施設から必要書類の一覧を受け取ってみてください。

自分で用意するもの。

市役所で受け取るもの。

サ高住など、現在暮らしている施設の方やケアマネジャーさんへお願いするもの。

その三つに分けると、少し進めやすくなります。

すべてを一日でそろえる必要はありません。

一つずつ確認していけば、申し込みまでたどり着くことができます。

今日という一日が、あなたにとって心地よい「ちょうどいい距離」の一歩になりますように。

きーのこと

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